デリヘル急増…幇助容疑で不動産業者初摘発/静岡
浜松中央署は22日、デリバリーヘルス(無店舗型風俗店、デリヘル)の営業開始届け出書の虚偽届け出を助けたとして、風営法違反幇助(ほうじょ)の疑いで浜松市中区旭町、不動産賃貸業、山本茂容疑者(59)ら4人を逮捕した。
調べによると、山本容疑者らは、名目上の事務所と知りながら賃貸契約書と使用承諾書を交付し、月2・5万~3万円の家賃を少なくともデリヘル6事業者からそれぞれ得ていた疑いが持たれている。
県警保安課によると、デリヘルの事務所のために不動産を貸した幇助容疑で、不動産業者を摘発したケースは全国初といい、「今後の違法営業の取り締まりに一石を投じるのでは」としている。今後、風俗店への立ち入りの際の捜査を入念に行うなどして、違法営業店の取り締まりをさらに強化する方針だ。
県内ではデリヘルの営業届け出は急増している。店舗型と違い営業禁止場所がないため、申請が簡単との声も挙がっており、事業者数はここ数年、右肩上がりで増加している。県警は、行き過ぎた増加は、暴力団の資金源や売春の温床につながる可能性が高まるとして、違法営業者を厳しく取り締まる方針だ。
「許可制ではなく、県公安委員会に申告さえすれば誰でも営業できる手軽さが急増の背景ではないか」。関係者は、デリヘル急増の理由をこう推測する。県警保安課によると、実際、平成22年末の事業者数は前年比50件増え、612と過去最高を記録。今年もほぼ同じペースで増加しているという。
増加の一方で、虚偽申告や未成年者を働かせるといったケースも後を絶たない。県警少年課によると、昨年ゼロだった未成年を働かせた児童福祉法と風俗営業法違反による摘発は今年はすでに2件起きているという。